「仕事を辞めたいけれど、何から始めたらいいのだろう……」仕事の辞め方で悩んでいませんか?
仕事を辞めるには、正しい手順に沿って進める必要があります。行き当たりばったりで辞めてしまうと、次の職場が決まらずに金銭的に困ったり、余裕がない状態でブラック企業に入社してしまったりします。
そこで、会社を辞める前にすべきことから、退職のやり方まで詳しく説明します。
仕事を辞める前にすべきこと
「仕事を辞めたい」と思う事がありますが、感情的になってすぐに辞めてはいけません。
仕事を続けていくと心や体の病気にかかってしまう場合はすぐに辞めることをおすすめしますが、それ以外の方は以下の3つの行動を起こしましょう。
ポイント
退職理由を整理
辞める前に転職を開始
相談相手を作る
退職理由を整理
あなたが仕事を辞めたくなった本音の部分を分析することは重要です。
以下に退職理由の本音についてのアンケートを記載します。
ポイント
1位:上司・経営者の仕事の仕方が気に入らなかった(23%)
2位:労働時間・環境が不満だった(14%)
3位:同僚・先輩・後輩とうまくいかなかった(13%)
4位:給与が低かった(12%)
5位:仕事内容が面白くなかった(9%)
6位:社長がワンマンだった(7%)
7位:社風が合わなかった(6%)
7位:会社の経営方針・経営状況が変化した(6%)
7位:キャリアアップしたかった(6%)
10位:昇進・評価が不満だった(4%)
出典:リクナビNEXT
なぜならば、退職理由の分析は以下2つの効果があるからです。
ポイント
次の会社を選ぶ際に、会社選びの失敗を活かす事ができる
辞めなくても解決できる問題かもしれないため
まず、会社選びの失敗を活かせる事ついて説明します。
たとえば、現在の職場にもはじめの頃は希望を持って働いていたはずです。それでも今は辞めたいと考えています。
今の会社を辞めたい理由を明らかにしておかないと、次に入社した会社も同じような悩みで辞めたくなる可能性があります。
今の会社のどのような点に不満があるかを明確にして、どのような環境で頑張る事ができるか考えることをおすすめします。
次に、辞めなくても解決できる問題かどうかについて説明します。
あなたが辞めたい理由について、部署異動で解決できないか考えてみましょう。
もし、部署移動であなたの問題が解決できるのならば、今の会社で頑張る事が望ましいです。
なぜならば、転職回数はできるだけ少なくしておいた方が良いからです。そのため、部署異動が可能であれば、会社に異動を申し出てみましょう。
決して「今の部署では仕事を辞めたくなるから」といった理由を伝えてはいけません。できるだけ前向きな理由で異動を申し出てみましょう。
たとえば、以下のような伝え方が有効です。
「10年後に○○な仕事をしていたいと考えています。そのために、今のタイミングで○○部署で経験を積んでいきたいと望んでいます」
部署異動を申し出て異動させてもらえなければ、転職活動を始めることをおすすめします。
辞める前に転職を開始
退職理由の整理ができて、会社を辞める決意ができたら転職活動を始めましょう。
会社を辞める前に、働きながら転職活動を始めることをおすすめします。
なぜならば、働きながら転職活動をすることで金銭的、精神的にも余裕ができるからです。
たとえば、転職エージェントに登録して働きながら転職活動をすることで、生活費に困ることなくじっくりと会社を選ぶ事ができます。
これにより、焦って転職先を決めてしまい、会社選びに失敗する危険を回避できます。
働きながら転職活動を進める際の注意として、同僚に「転職活動をしている」と言ってはいけません。転職に関する話は会社内で広まりやすく、あなたの転職活動に支障をきたす恐れがあるため周囲にバレないように転職活動を進めましょう。
転職エージェントに登録する
「はじめての転職で、誰に相談すべきかわからない」と悩んでいる場合、転職について相談できる人が必要です。
転職活動は、あなた一人での判断が難しい事が多くあります。その途中で面倒になって転職を諦めて、辛い仕事を続けていく人も多くいます。
転職を相談するには、家族や友人では意味がありません。転職活動に詳しくて、あなたが希望する業界や職種に詳しい人物が最適です。
なぜならば、家族や友人では転職経験があったとしても現在の転職市場を知らないため、適切な対策をとる事ができないからです。
たとえば、転職エージェントに登録すると、以下のサービスを無料で受ける事ができます。
ポイント
履歴書の書き方
職務経歴書の書き方
自己PRのポイント
面接対策
面接日の調整
面接後のアフターフォロー
会社を辞めて転職すべきかどうか悩んでいる場合は、大手の転職エージェントを利用しましょう。強引に勧めてくることはないので気軽に相談する事ができます。
円満退職をするための方法
転職活動で無事に内定を獲得する事ができ、退職の決心がついたら具体的に退職の準備に入ります。
退職日を決めて、現在勤めている会社に退職を伝えます。
退職を伝えるには、時期や切り出し方が重要です。転職先の入社日を意識しながら直属の上司に伝えましょう。
上司よりも先に同僚に話してしまうと、そこから噂が広がってしまいます。そのような状態では円満に退職する事ができなくなるので、最初に退職の意思を伝える相手は上司にすべきです。
退職を切り出す時期
退職を上司に伝える時期としては、退職の1ヶ月から2ヶ月前にしましょう。
なぜならば、退職後の業務引き継ぎや挨拶回りに時間が必要なため、1ヶ月から2ヶ月ほど必要だからです。
法律上では2週間前に退職を申し出れば辞める事ができるとありますが、退職に向けた準備期間を考慮して退職の意思を伝えましょう。
退職の伝え方
退職の伝え方は非常に重要です。
まずは直属の上司に「お話があります」と呼び出して、会議室などの別室で会社を辞めることをはっきりと伝えましょう。
退職の意思を伝えると同時に、辞める時期をはっきりと伝えておきましょう。
退職理由は個人的な内容にする
退職を切り出す際に、退職理由について必ず質問をされます。
退職理由を切り出す際に、個人的な理由で退職することを伝えましょう。
なぜならば、退職理由の原因が会社への不満の場合、引き止められることもあるからです。
退職理由で部署の仕事内容に不満があると伝えてしまった場合、会社側から「部署異動で不満が解決できないか?」と引き止められてしまいます。
会社側で改善できるような退職理由では円滑に進まないため、今の会社では実現が難しいなどの内容を盛り込む事が重要です。
たとえば、以下のような新しい業界や職種に挑戦したいなど目指す目標が変わったというような前向きな理由が好ましいです。
将来の目標が定まり、新しい業界へ挑戦することにしました。今の会社では実現が難しいため退職します。
前向きで個人的な退職理由の内容であれば、会社側も受け入れてくれます。
仕事を辞める5つのステップ
退職には以下5つのステップを踏んでいく必要があります。退職届を出せば誰でも簡単に会社を辞めることはできません。
ポイント
1.転職活動
2.上司に退職の意向を伝える
3.退職に向けた交渉
4.退職願または退職届を提出
5.引継ぎ、社内外への挨拶
それぞれのステップについて解説します。
ステップ1.転職活動を始める
「仕事が辛い、もうこれ以上耐える事ができない……」と思って退職を先に進めてしまうと必ず後悔します。
そのような場合は、転職エージェントに相談することをおすすめします。転職エージェントを活用すれば、働きながら転職活動を進める事ができます。
転職エージェントは複数の会社に登録しておく事がおすすめです。
なぜならば、転職エージェントによって特徴が異なるからです。
たとえば、業界の大手で求人数を多く取り扱っているはdodaや、20代の転職に特化したマイナビエージェント20`sがあります。複数の転職エージェントに登録していれば会社の選択肢が増えるので、活用していくことをおすすめします。
ステップ2.上司に退職を切り出す
転職先が無事に決まったら直属の上司に退職を切り出しましょう。
同僚に転職活動をしていることを話してしまうと、上司に漏れ伝わってしまうので絶対に口に出してはいけません。
なぜならば、あなたの印象が悪くなり、退職の時期に悪影響を及ぼすからです。
そのため、転職活動をしていることや、退職の意思があることがバレないように言動を慎みましょう。
ステップ3.退職交渉をする
退職を直属の上司に切り出した後は、所属長、人事担当者と退職の話を進めます。
退職の交渉は、円満に退社するために重要な部分です。交渉の中で「あなたが抜けたらどうするんだ!」と圧力をかけたり「もう3ヶ月ほど我慢して働いて欲しい」などお願いをされたりする事があります。
退職を決意して、次の会社の入社日が決まっているならば、このようなお願い事を聞く必要はありません。
なぜならば、次の会社の入社日が決まっているならばそちらを優先させるべきで、退職日をずらすことよりも重要だからです。
上司からの引き止めがあった場合は、以下のような対応をしましょう。
「○月○日で退職するので、残りの期間で引継ぎを完了させます」
このように、あなたが決めた退職日をずらす事なく、できる限りの引継ぎをするといった誠意を見せておきましょう。
退職の交渉で上司の口車に乗って会社に残っても、その後の会社でのあなたの立場が弱くなっていくだけなので、退職を口に出したら後戻りはできないと覚悟を決めましょう。
ステップ4.退職願または退職届を提出する
退職の交渉を終えた後に、退職願または退職届を提出します。
退職交渉が終わっていない段階で退職届を提出することは失礼だと捉える人もいるので、退職の交渉が完了してから提出することをおすすめします。
会社の就業規則によって退職願か、退職届のどちらを提出すべきか定められているので確認してから作成しましょう。
退職願に会社側で書き方の規則があればそれに従って作成します。書き方の指定がなければ、手書きの縦書きで作成しましょう。
手書きかつ縦書きで作成する理由として、以下が挙げられます。
ポイント
退職届や退職願は手書きで書くものと考えている風習が根付いているため
手書きで作成することで誠意を見せる事ができるため
縦書きにする事で、かしこまった印象を与える事ができるため
受け取り側のことも考えながら、丁寧に作成しましょう。
ステップ5.引継ぎと挨拶を行う
退職届を提出したら、引継ぎと社内外の関係者に挨拶をしに行きます。
この辺りで有給が残っていれば、有給を消化しましょう。
退職の挨拶はできるだけ対面で行い、時間的に難しい場合は挨拶のメールを送ることで今の関係を維持するようにしましょう。
退職の挨拶メールを送るタイミングとして、会社内に対しては退社1週間前や最終日に送り、社外に対しては退職日の2〜3週間前に送るようにしましょう。
仕事を辞める時のアドバイス
退職に踏み切る際には、強い意思が必要です。退職を上司に伝えたものの、「不満なところは改善するから、もう少しだけ働いてくれないか?」と引き止められることもよくあります。
このような時に決意が揺らいでしまわないように、退職の際に知っておいて欲しいことを伝えます。
次の職場であなたを必要としている人がいる
「自分が退職することで、上司や同僚に迷惑がかかるのではないか」と気に病んでしまう事があるかもしれません。
そのような時に、次の職場について想像してみましょう。
転職先の職場でもあなたを必要としていて、期待している人はたくさんいます。
また、あなたが辞めた後の対応は会社側で行われるので、気にする必要はありません。次の職場で活躍することを楽しみにして過ごしましょう。
仕事を辞めてもなんとかなる
退職することで不安に感じる人もいるのではないでしょうか。
「次の転職先が見つかるだろうか」と感じて不安に過ごしているよりも、転職エージェントに登録してみましょう。
転職エージェントに登録したことで、多くの転職先があることに驚くのではないでしょうか。転職する事が当たり前になったため、求人も豊富にあります。
一方で、会社に残り続けるリスクを忘れてはいけません。今は大手企業でも経営が傾く時代です。
そのため、会社にしがみつく事が安定できる時代は終わりました。あなたの実力を発揮できて、満足度の高い会社を選んでいく事が重要です。
あなたが抜けた穴はすぐに埋まる
「自分が抜けたら、仕事が回らなくなるのでは……」と悩む必要はありません。
なぜならば、あなたが辞めたとしても仕事が回るように配慮するのは会社側だからです。
そのため、あなたが辞めた後の会社を気にしなくても良いでしょう。
会社を辞めた後のことについて、あなたが責任を負う必要はありません。
社員の欠員をなんとかするのは会社側の問題ですので、会社側が人員確保についてあなたに文句を言ったとしても「それは会社側の問題」と割り切って行きましょう。
まとめ
仕事を辞める時に知っておきたい4つのポイントについて紹介しました。
ポイント
1.仕事を辞める前にすべきこと
2.円満退職をするための方法
3.仕事を辞めるためのステップ
4.仕事を辞める時のアドバイス
仕事を辞めるには、きちんと計画的に次の転職先を見つけた上で進めましょう。
「仕事が辛くて、今すぐにでも辞めたい!」と悩んで突発的に行動してはいけません。
きちんと準備をした上で、焦らずに後悔のない転職を進めていくことをおすすめします。