新卒で入社した会社で「このままこの仕事を続けていいのだろうか?」「同級生の友人は良い会社に就職して満足そうだったけど、私の会社は不満だらけだ……」と不安に思っている人も多いかと思います。
入社して数年間は一人前に仕事をこなせないこともあり、まだ学生の頃の感覚が残っています。
入社してから3年未満であれば第二新卒としての転職が可能です。
今回は、第二新卒の転職を成功させるために
- 第二新卒の転職の実態
- 第二新卒の転職市場
- 第二新卒で転職するメリット・デメリット
- 第二新卒の転職を成功させるには
についてお伝えします。
初めての転職で失敗せずに、あなたの望んだ転職を実現させるためのポイントを手に入れることができます。
第二新卒の就活について
第二新卒としての転職を始める前に、まずは第二新卒とはどのような人を指すのでしょうか?
一般的に知られている第二新卒として、学校を卒業して新卒として入社したものの、入社から1〜3年で転職活動をしている方と言われています。
このことから、第二新卒は20代前半というイメージを持たれてしまいがちですが、第二新卒に明確な年齢についての定義はありません。
そこで、第二新卒とはどのような人を指すのか説明します。
第二新卒ってどれくらいの社会人経験?
上記で第二新卒とは新卒として入社したものの、入社から1〜3年で転職活動をしている方と述べていますが、これは第二新卒として受け入れられるおよその目安です。
なぜならば、就職して数ヶ月しか経験がなくても、4年間の就業経験があっても第二新卒として応募できるからです。
これは新卒で就職した後に転職活動をしている若い世代の人であれば第二新卒に当てはまるという考えに基づいています。
たとえば、高校を18歳卒業して就職して、1年間働いた場合でも第二新卒としての転職が可能です。また、大学院を24歳で卒業して就職し、1年間働いた場合でも同様に第二新卒としての転職ができます。
このように、新卒で就職した会社から始まる社会人経験を基準としているため、社会人3年前後と覚えておくと良いでしょう。
第二新卒と新卒、既卒の違いは?
第二新卒について既卒と間違えて捉えがちですが、以下のような点で異なります。新卒と一緒に比較してみましょう。
ポイント
新卒
新規卒業の略語で、その年度に卒業する学生
第二新卒
学校を卒業後に新卒として就職し、1〜3年で転職活動をしている人
企業により、前職で4年以内の経験で25歳以下であれば第二新卒とする場合もある
既卒
学校を卒業後に就職をしなかった人
前職がなければ既卒の扱いになる
第二新卒と既卒は混同されがちですが、第二新卒と既卒では転職市場で大きく異なります。
なぜならば、第二新卒は会社に所属した経験があり、社会人に必要なビジネスマナーを教育されている点があるからです。
これは第二新卒を採用する企業にとって大きなメリットがあります。
たとえば以下のような点が企業に評価されているため第二新卒は既卒よりも有利です。
ポイント
- 前職で社会人としてのビジネスマナーの研修を受けており、基本的な研修が不要
- 所属している期間が短いため、前職の会社に染まっておらず社風に馴染みやすい
- 若手社員が不足しているため、出来るだけ教育コストをかけずに採用したい
このように、第二新卒を採用する企業は第二新卒に対して専門的なスキルや実績を重視しておらず、入社熱意や人柄について問われることが多くあります。
志望動機や入社の熱意、入社後にどのような仕事をやりたいかなどの質問に答えられるように準備しておきましょう。
第二新卒を採用する理由
第二新卒は専門的なスキルや実績が問われないため、中途採用のように即戦力として採用されるわけではありません。
それでは、なぜ第二新卒を採用するのでしょうか?
それは企業にとって第二新卒を採用することにメリットがあるからです。
たとえば、会社にはそれぞれ独自の文化があり、仕事のやり方があります。長年同じ会社に勤めていると、前職のやり方が染み付いてしまいます。
前職の経験値が良い方向に作用すれば良いのですが、たいていの場合は社員間で衝突が起きてしまいます。これにより、転職しても次の職場でのやり方に馴染むことができずに退職してしまうことも多くあります。
一方で、第二新卒は早い段階で会社を辞めているため、前職のやり方が染み付いていません。第二新卒を採用する会社にとっては「これから会社に馴染んでもらえれば良い」という考えのもと重宝されています。
第二新卒の転職市場
2008年9月に起きたリーマンショックにより、転職市場の有効求人倍率も大きく下がりました。その後、2010年以降は右肩上がりに向上しています。
出典元:厚生労働省「一般職業紹介状況(平成30年12月分及び平成30年分)について」
上記グラフに記載してある求人倍率とは、求職者1人につき何件の求人があるかを示すグラフです。
2018年12月の求人倍率を見ると、1.63倍となり高い水準を維持しています。
第二新卒の採用市場も大きく変化
2008年に起きたリーマンショックにより、企業は新卒の採用を縮小して即戦力となる30代の中途採用を重視していました。
その後、景気が回復して右肩上がりになると人手が足りなくなり始めたのです。
企業は基本的に新卒採用で若手社員を補充していますが、若手である第二新卒も採用したいという動きが強くなってきました。
なぜならば、企業側で定めている新卒者の定員数が下回り、思っていたよりも新卒社員が少ないため、第二新卒で補充しようという狙いがあるからです。
たとえば、30代で人員を補充した方が即戦力になり、会社としてもメリットが大きいのではないかと思うかもしれません。しかし、30代の採用市場は競争が激しいため、良い人材を採用することが簡単ではありません。
そこで、新卒に近い年代の第二新卒を採用して、入社後に時間をかけて育成をすれば良いという結論に至り第二新卒の採用が活性化されました。
第二新卒で転職したい理由は?
それでは第二新卒として転職をする人は、どのような思いで転職を決意したのでしょうか?
第二新卒の転職理由としては以下のような理由がきっかけで転職活動に踏み切っています。
ポイント
- 給料の待遇面を改善したい
- 現職の拘束時間が長いため、残業の少ない会社に転職したい
- 会社での人間関係が最悪
- 成長できる環境で仕事をしたい
- 学生時代に学んだことを活かせる仕事に就きたい
人の抱えている悩みはそれぞれで、現職に対する不満から転職する人もいれば、将来の成長に向けた前向きな理由で転職する人もいます。
現在の仕事に対する不満から転職することは悪いことではありません。しかし、不満をそのまま転職理由として伝えるのはやめておきましょう。
なぜならば、転職理由でネガティブな転職理由よりも前向きな転職理由の方が評価されるからです。
しかし、自分が抱えている転職理由が妥当なのかわからないこともあります。そんな時は転職エージェントに相談することをお勧めします。
たとえば、転職エージェントは過去の実績から豊富な転職知識を持っています。そのため、あなたに的確な転職理由を一緒に考えてくれます。
多くの場合は、現在の仕事に対する不満が占めています。転職理由として的確な答えが出せない時は転職エージェントの力を借りてみると良いでしょう。
第二新卒で転職するメリット
第二新卒の転職では以下のメリットが挙げられます。
ポイント
- 労働環境が大きく改善される
- やりたかったことが実現できる
現在の仕事に不満を感じ、それを改善するために転職を検討することが多くを占めています。先に述べた2つのメリットについて説明します。
労働環境が大きく改善される
転職をすることで、労働環境が大きく改善されることがあります。
人間関係や拘束時間などの仕事で抱えている問題を一気に改善できるかもしれません。
しかし、再び労働環境の悪い会社に転職してしまうかもしれませんので、転職先の情報をしっかりと調査する必要があります。
そのために転職エージェントを活用することをおすすめします。
なぜならば、転職エージェントは転職先の会社の雰囲気を的確に掴んでいるからです。
たとえば、過去に内定した社員と会食して、会社の待遇や社風、現在の仕事のモチベーションなどを詳細に聞き取っています。
このように社員の生の声を聞き取ることで、的確に会社の情報を掴んでいます。
「労働環境を詳しく知りたい」と思うのであれば、転職エージェントを利用してみましょう。
やりたかったことが実現できる
第二新卒の転職では、新卒で入社した会社で働いているうちに自分のやりたかったことが明確になって転職する場合があります。
自分のやりたいことがはっきりしていて、現在の仕事ではその実現が難しいと感じるのであれば第二新卒として転職するメリットは非常に大きいです。
なぜならば、第二新卒であれば、年齢的にも若く目標に向かって努力する時間も体力も充分にあるからです。
たとえば、転職することでやりたいことに必要な段階の職に就ければ、将来的にあなたのやりたい仕事が実現できます。
やりたいことが明確であり、現職で実現できないと判断したならば、第二新卒のうちに転職活動を始めると良いでしょう。
第二新卒で転職するデメリット
第二新卒の転職では以下のデメリットが挙げられます。
ポイント
- 3年未満という短い職歴で転職すると、根気のない人材と判断されてしまう
- 会社との関係が再びゼロから始まる
第二新卒のデメリットを知っておくことで、後々の面接での質疑での回答準備ができます。そこで、第二新卒のデメリットについて説明します。
根気がない人と思われてしまう
短い職歴で転職活動をしてしまうと、「根気がない人」という印象を抱かれても仕方ありません。
むしろ、そのようなマイナスイメージで見られていることを意識して対策を練っておくことをおすすめします。
なぜならば、「根気がない」と思われているのであれば、それを覆すほどの転職理由を準備しておけば良いからです。
たとえば、面接での質問で「なぜ、あなたは短期間で弊社への転職活動を決断したのでしょうか?」と質問されることがあります。
これに対しては以下のように答えると良いでしょう。
「御社の◯◯部署における◯◯業務について、以前より注目しておりました。私も将来的に◯◯の業務に携わりたいという思いがあり、若いうちに転職を決意しました」
このように、第二新卒は根気が無いというイメージで見られてしまいますが、そのような印象を抱かれないような熱意のある転職理由を示しましょう。
会社との関係が再びゼロから始まる
第二新卒の転職した場合、これまで築いてきた会社との関係が新卒と同じになってしまいます。
なぜならば、第二新卒は中途社員と異なり即戦力の採用ではなく、新卒と同じような扱いになるからです。
たとえば、第二新卒で転職すると毎月の給与は転職先の会社の新卒と同じ金額になり、有給休暇の付与やボーナスの金額も新卒と同じ水準になります。
このように、第二新卒は「会社に入ってから戦力になってもらいたい」という考えで採用されるため、前職で築いてきた関係が無くなり、再びゼロから始める必要があります。
第二新卒の就活を成功させるには
人生で初めての転職となる第二新卒の転職を成功させるために、以下の3点が重要です。
ポイント
- 自分が望むキャリアを実現するために将来のビジョンを明確にする
- 転職のスケジュールを計画する
- 第二新卒に特化した転職エージェントに登録する
これらのポイントについて説明します。
将来のビジョンを明確にする
「とにかく今の会社を辞めたい!」そんな気持ちのままで転職活動をしてしまうと、冷静に判断できないまま同じような環境の会社に妥協して転職してしまいます。
そのような姿勢で転職活動を進めると必ず失敗します。
あなたの望むキャリアを実現するために、自己分析を通して将来像を描きましょう。
なぜならば、この点を曖昧なままにして転職をすると、転職先が見つかったとしても再び悩みや不安を抱えると会社を辞めたくなってしまうからです。
たとえば、転職したい会社で実現したいことが明確であれば、先輩社員や上司の姿を見て「こんな風になりたい」と考えて自然と真似るようになります。
一方で、妥協した会社に入社してしまうと、どこか不満な点があるとネガティブな面だけに注目してしまい、あなたの将来に悪影響を及ぼします。
そうならないためにも、あなた自身で将来どのような仕事をやってみたいか具体的に決めていきましょう。
転職のスケジュールを計画する
転職の目的が明確になったら、転職のスケジュールを決めましょう。
仕事に納期があるように、転職にもゴールから決めていく必要があります。
ここで述べている転職のゴールとは、転職して初出勤日を指します。
なぜならば、転職のゴールを決めることで、退職日、内定、応募期間、会社選び、自己分析とやるべきことを逆算できるからです。
たとえば、転職のゴールを決めずに転職活動を進めてしまうと、やるべきことが先延ばしにされてしまいます。その結果、仕事が忙しくなり、第二新卒での転職をするチャンスを逃してしまいます。
そこで、以下のスケジュールをもとにやるべきことを整理しましょう。
転職の流れは大まかに4つに分けることができます。
ポイント
自己分析、将来やりたい仕事など転職の軸を固める
情報収集、応募する企業を検討
企業に応募、書類選考や面接、内定
現在の勤め先を退社、次の会社への入社準備
転職活動を始めて、入社するまでに期間は3ヵ月を目安にすると良いでしょう。転職活動は長ければ長いほど焦りが出てしまいます。また、長引いてしまったことによって冷静に判断できず「とにかく転職できればいい」と考えがちになり、今より悪い環境の会社に入社してしまうこともあります。
そのような悪循環に落ちないために、転職のスケジュールを立ててある程度の目安を決めておきましょう。
第二新卒に特化した転職エージェントに登録する
転職に向けて多くの準備が必要となります。自己分析をして、スケジュールを立てても「何から始めたらいいのだろう……」と不安になるかもしれません。
そこで、第二新卒の転職に特化した転職エージェントを活用することをお勧めします。
なぜならば、転職エージェントを利用することで内定獲得率が格段に上がるからです。
たとえば、第二新卒の転職エージェントを活用すると、転職の準備から内定獲得まで以下のサービスを受けることができます。
ポイント
優良な企業選び
履歴書の書き方
職務経歴書の書き方
会社に響く自己PR
面接対策
転職成功者の体験談
応募する企業とあなたの職務経歴やスキルによりますが、なかなか交渉しにくい給与の交渉まで行ってくれる場合もあります。
これだけのサービスを無料で受けることができるため、転職で不安に思うのであれば利用することをおすすめします。
まとめ
第二新卒の転職は人生で初めての転職です。転職を成功させるために、第二新卒の転職の実態を知りましょう。
そして、第二新卒の転職市場を知ることで、転職市場での第二新卒の価値を見極めることができます。
転職を始める際に、第二新卒で転職するメリットとデメリットを知った上で進めましょう。
第二新卒の転職についての基本的な知識が身についたら、転職を成功させるためにあなたの将来のビジョンを決めて、逆算で転職スケジュールを計画します。さらに転職エージェントを活用することで、あなたの転職が成功する確率が格段に上がります。
転職エージェントのサービスは全て無料で受けることができます。まずは転職エージェントへの登録から始めてみましょう。