「第二新卒で転職をしたいけれど、いつ転職活動を始めたらいいのだろう?」と悩んだことはありませんか?
働きながら転職活動に多くの時間を費やすことはできません。できれば効率よく転職を成功させたいものです。
実は第二新卒の転職に有利な時期があります。1月から3月と7月と9月に転職市場に求人が多く出回ります。この時期を狙って転職活動を始めると、多くの選択肢から企業を選ぶことができます。
その求人の中には、あなたが新卒時に入りたかった企業も募集をかけているかもしれません。転職しやすい時期を知っていれば、その時期に向けて転職の準備を始めるだけです。
そこで、本記事では第二新卒の転職しやすい時期と、転職の際に注意すべきこと、成功させるためのポイントについてご紹介します。
第二新卒の採用時期
まず、第二新卒とは新卒で入社して社会人経験3年程度の転職者を指します。4年目の社会人経験でも第二新卒として受け入れる会社もあるため、およそ社会人3年から4年目以内と捉えてください。
第二新卒として何年目に転職すれば良いのか、そして何月ごろに転職したら良いのか疑問に感じている点について詳しく説明します。
第二新卒が転職に適した時期は何年目?
先ほど第二新卒は社会人3年目から4年目以内と述べましたが、入社1年未満での転職活動はやめておきましょう。
なぜならば、入社1年未満で転職することは多くのリスクがあるからです。
たとえば、入社1年未満で面接に望んだ場合、採用側の視点で見ると忍耐力の無い人物と判断されてしまいます。そのような人材を採用したとしても、会社としてリスクしかありません。
ブラック企業で上司のパワハラや、長時間労働が辛くて耐えられない気持ちもわかりますが、そこから逃げ出す気持ちで転職活動をしてはあなたにとって不利に働きます。
そのため、辛くても入社して1年間は働くようにすべきです。
また、ブラック企業で数多くのストレスに耐えて働いてきた経験は面接時にアピールできます。実際に私が転職した時は「毎月120時間以上の残業をこなしてきたので、体力面のタフさと精神面の忍耐強さに自信があります」と面接でアピールし、面接官に高評価をいただき内定を獲得しました。
最短で第二新卒として転職活動をはじめるならば、入社1年目の1月から3月に転職活動を始めましょう。第二新卒にとってこの時期がもっとも早い転職開始時期です。万が一その時期の転職がうまくいかなくても、その後の2年間で第二新卒として転職するチャンスがあります。
第二新卒は1月から3月の転職活動がお勧めな理由
第二新卒が1月から3月に転職しやすい理由として、企業の決算期と重なる点があります。
なぜならば、多くの企業が3月末を決算期としていて、決算期が落ち着く頃に募集を始めるからです。また、4月に新卒入社を設定している企業が多く、そのタイミングで第二新卒を受け入れようとする動きもあります。
4月は様々な理由により、企業の社員の入れ替わりが激しい時期です。
たとえば、4月に組織編成が大きく変わります。それにより転勤や組織の移動、退職などが重なり人員の移動が激しくなります。組織変動により人手が足りないところが出てきてその人員を補充するために採用を強化しています。
この人員が激しく入れ替わる現象は毎年起きることのため、あらかじめ1月から求人を出し始めて3月まで求人が増え続けていきます。
企業側としても研修にかかるコストを出来るだけ削減したいので、新卒とともに第二新卒も4月に入社させたいと考えています。
第二新卒は7月から9月の転職活動がお勧めな理由
1月から3月の狙い目の転職時期以外に、7月から9月に求人が増えます。
その理由として、決算時期と同時に人事異動が盛んに行われるからです。
この時期に仕事が一区切りついて、夏のボーナスを受け取った後に退職を決意する人が増えます。
そのため、ボーナスが支給される前後に社員の移動が激しくなる7月から9月に求人が盛んになります。
第二新卒が転職する際に注意しておくべきこと
第二新卒の転職時期がわかってきたところで、転職活動前に注意しておくべきことがあります。
転職を成功させるかどうかの分かれ目になるため、これから説明する注意点をしっかりと覚えてください。
第二新卒の転職は新卒の転職とは異なる
第二新卒の転職は、新卒の就職活動と異なるということを前提に取り組みましょう。
新卒での成功体験があると、第二新卒も同じように挑めば次も成功すると思い込んでしまうからです。
たとえば、第二新卒と新卒の大きな違いは職務経歴書を通してあなたのこれまでの仕事での実績を話す必要があります。
そのため、新卒時のように「未経験でもやる気さえ見せれば大丈夫」と思っていてはいけません。
少ない社会人経験でも、あなたのこれまでの仕事の取り組みについてきちんと語る準備が必要です。
第二新卒は未経験の業界や職種に転職するチャンス
第二新卒の転職は、未経験の業界や職種に転職できる最後のチャンスです。
なぜならば、第二新卒は新卒社員と1年から3年程度の年齢差のため会社組織の中では若手社員の部類に入るからです。
そのため、未経験の業界や職種に第二新卒で転職すると新卒社員のように仕事を覚えることからスタートします。
新卒で入社した会社がブラック企業だったり、新卒時に本当に入りたかった企業があったりした人にとって第二新卒の転職は絶好のタイミングです。
最低でも1年以上は働いて第二新卒の転職を狙う
現職に不満があり「できるだけ早く第二新卒で転職したい」と考えているのではないでしょうか。
もし、あなたの職歴が1年未満であれば最低でも1年間働くようにしてください。
なぜならば、1年間働けば年末のボーナスが入り、失業保険受給の条件を満たすことができるからです。
たとえば、転職が長引いてしまうと金銭面で不安が出てきます。ボーナスや失業保険があれば、当面の間はお金について心配することはありません。
「今すぐ転職したい」と焦らずに、第二新卒として転職できる準備を整えつつ着実に転職活動を進めましょう。
今の仕事を続けながら転職活動をする
先ほど最低でも1年以上の就業経験が必要と述べましたが、できれば働きながら転職活動をすることをお勧めします。
なぜならば、転職活動を開始してすぐに転職できる保証は無く、転職期間が長引くほど金銭面に不安が出て余裕を持って転職活動ができなくなるからです。
たとえば、私が利用した転職エージェントでは採用の時に現職で働きながら転職活動を続けている求職者と、退職して無職の状態で転職をしている求職者を比較すると、間違いなく働きながら転職活動を続けている人を選ぶ傾向がありました。
無職で転職活動をしている人に対しては、「この人は嫌なことがあると突発的に会社を辞める人かもしれない」とネガティブな印象を持たれてしまいます。
本当の理由がどうであれ、第一印象が悪ければ転職活動に悪い影響を与えてしまいます。
金銭面でも、第一印象でも不利にならないように、現在の仕事を続けながらの転職活動をお勧めします。
第二新卒の転職活動期間を作ろう
第二新卒の求人が活発化する時期は、それぞれ1月から3月と7月から9月です。
そのため、少なくとも3カ月ほどの転職活動期間を設けるべきです。
なぜならば、3カ月間で様々な会社の企業情報収集、書類選考から数回にわたる面接、会社によっては入社試験を通過しなければならないからです。
たとえば、書類選考から一次面接、二次面接、最終面接の場合、会社側には求職者を選考する期間が必要なため短くても1カ月以上かかります。
ひとつの会社に集中すれば1カ月ほどで内定を得られますが、確実に内定を手にする保証はありません。実際は複数の会社に応募して、その中から段階ごとに進めていく必要があります。
そのため、複数の企業への応募を想定して最低でも3カ月の転職活動期間を設けましょう。
第二新卒が転職で成功させるための3つのポイント
第二新卒が転職を成功させるためには以下3つのポイントを押さえておきましょう。
ポイント
転職の目的を明確にする
応募する企業と業界について研究する
履歴書・職務経歴書、面接対策を万全にする
それぞれのポイントについて説明します。
転職の目的を明確にする
転職の面接では「あなたはなぜ弊社に転職しようと考えたのですか?」と質問されます。
そこで、「残業時間が長いことが辛くて転職を決意しました」や「職場の上司と合わなかったため転職をしようと思いました」などのネガティブな転職理由で答えてはいけません。
なぜならば、採用する側の企業にとってそのようなネガティブな理由で転職されても困るからです。
本音でそのように思っていたとしても、転職理由で伝えてはいけません。ネガティブな退職理由もポジティブに置き換えて伝えるようにしましょう。
たとえば、「希望する業務に携わり、将来はこのような仕事に発展させたい」といったあなたが入社して実際にやってみたい仕事の視点で転職理由を伝えましょう。
第二新卒の求人を出している企業として、仕事が嫌で転職活動をしている人よりも、明確な目的があって自社で活躍してくれる人材を求めています。
応募する企業と業界について研究する
第二新卒の転職では新卒の時と同じような失敗を繰り返してはいけません。
なぜならば、新卒の時は周りの同級生が就職していく空気に流されて、しっかりとした分析をせずにイメージで選んでしまっていることがあるからです。
そのため、業界や企業についてしっかりと情報収集をして現実的な視点で職場を探しましょう。
第二新卒の転職は、新卒と同じように未経験の業界や職種に応募できる最後のチャンスとなります。会社四季報や就職四季報を活用してあなたの業界研究をしっかりと固めていきましょう。
※会社四季報とは全上場企業のプロフィールや株式データ、業績予想が網羅された雑誌
※就職四季報とはエントリーや試験の情報、給与体系や福利厚生などがまとめられている雑誌
履歴書・職務経歴書、面接対策を万全にする
新卒の就職と同様に、第二新卒の転職も書類選考から始まります。「新卒の頃に書き慣れているから大丈夫!」と思っていても、第二新卒の転職には職務経歴書を提出しなければなりません。
また、この職務経歴書をもとに前職でどのような仕事をしてきたかを面接で質問されます。「第二新卒は職歴が浅いから、職歴なんて聞かれないだろう」と楽観的に考えてはいけません。
短い職歴でも必ず前職の仕事について質問されます。
なぜならば、職務経歴書と面接を通して前職であなたがどのような姿勢で仕事に取り組んでいて、これから入社した後に活躍できる人材かどうか見極めるからです。
たとえば、「前職でどのような仕事をされていたか教えてください」と面接で質問をされます。それに対して、あなたの仕事をどれだけ掘り下げて話せるかが重要です。
「先輩社員に着いて関東圏の会社に営業で回っていました」といった薄い回答をした場合間違いなく内定を手に入れることはできません。
このような場合、以下のように具体的な数字を入れて、その仕事によってどのような利益を会社に残せたかを話しましょう。
「3ヶ月間先輩社員の下で、関東圏の教育系の企業を50社にシステム開発の営業に回りました。最初はなかなかうまくいかないことばかりでしたが、50社の中から3社の制約をいただき、各社に10名ほどの社員を派遣することができました」
このように具体的な期間や数字を職務経歴書の中に盛り込んで、面接で具体的に伝えていきましょう。
「初めての職務経歴書でどのように書いていけば良いかわからない」と思っているのであれば、転職エージェントの活用をお勧めします。
第二新卒の転職を成功させるために転職エージェントを利用
「転職にいい時期や準備は分かったけど、本当に上手くいくだろうか……」と不安に思う人もいるのではないでしょうか。第二新卒のような若手の転職で、採用担当を納得させるような転職理由、しっかりと調査された業界・企業研究を自力でできる人はいません。
そこで、第二新卒として転職を始めるならば第二新卒に特化した転職エージェントを利用することをお勧めします。転職エージェントとは、企業と転職者の間に入ってお互いが満足のいく転職を実現させるサービスのことを指します。
転職エージェントの活用方法
転職しやすい1月から3月と7月から9月に転職者が急増するため、その時期よりも早めに転職エージェントに登録しておきましょう。
なぜならば、新卒2年目から3年目のタイミングで第二新卒として転職する人が集中するからです。
たとえば、1月に登録すると転職エージェントのヒアリングを経て企業への書類提出、面接が始まります。担当者に不満があっても手が回らず、相性の悪い担当者とそのまま転職活動を進めなければなりません。
転職エージェントがあなたに合わないこともあため、1月から3月に転職活動を予定するならば前年の12月、7月から9月に転職活動をするならば6月に転職エージェントに登録しておくと良いです。
転職エージェントの登録から利用までの流れ
転職エージェントに登録して内定に至る過程は以下のようになっています。
ポイント
1.転職エージェントに登録
2.転職エージェントとの面談でこれまでの職歴の詳細や転職に関する希望を聞き取り
3.企業へ提出する履歴書や職務経歴書を添削、面接の対策のアドバイス
4.内定後に現職の円満退社、転職先の会社への入社時期調整
転職エージェントに登録しておくと、先に挙げた履歴書や職務経歴書を添削、面接の対策のアドバイスなど全てのサービスを無料で受けることができます。
このようなサービスが無料で受けられる理由は、転職エージェントが企業と転職者の仲介をすることで、企業から成功報酬を得ているからです。
他にも、転職エージェントが開催する転職セミナーに参加することもできます。
転職を考え始めたら、まずは転職エージェントに登録しましょう。
まとめ
この記事では、第二新卒の転職で重要な採用時期と転職時に注意すべきこと、転職を成功させる方法について紹介しました。
採用時期としては以下の時期を狙いましょう。
ポイント
1.第二新卒の転職は採用が増える1月から3月と7月から9月が狙い目
そして、第二新卒の転職を始める前に以下の点について注意しなければなりません。
ポイント
2.第二新卒は新卒の転職と異なる点に注意
3.未経験の業界や職種に転職できるチャンス
4.失業保険を考えて最低でも1年以上は働く
5.今の仕事を続けながら転職活動をする
6.少なくとも3ヶ月の転職活動期間を作る
そして、転職を成功させるために以下の3点を準備しましょう。
ポイント
7.転職の目的を明確にする
8.企業、業界研究は四季報を使い現実的な視点で調べる
9.履歴書・職務経歴書、面接対策を万全にしておく
第二新卒の転職は、あなたの人生を再スタートできる大きなチャンスです。
ただし、第二新卒の転職について何も分からないまま進めてしまうのは、あなたにとってマイナスとなります。そのため、転職エージェントを利用してあなたに合った転職先を冷静に選んで、内定を手に入れましょう。